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CVD・プラズマCVD(化学的気相成長)

CVD・プラズマCVD(化学的気相成長)

真空を利用した薄膜生成の方法として、既に「蒸着」と「スパッタリング」を説明しましたが、これらは物理的成膜法(PVD法)というものに分類されます。PVD法では原料の多くが個体であり、それを加熱・蒸発やイオン衝撃・飛散により薄膜させる方法をとっています。

これに対して化学的成膜法(CVD法)と呼ばれる方法があります。CVD法の原料はガス状の分子であり、基板が置かれた容器内に原料ガスを供給し、そこに反応・分解させるためのエネルギーを与え、化学反応により薄膜させるものです。

ここでは、このCVD法について説明していきます。

Q斗博士の説明

CVD法とは?

CVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成膜法)は、原料となるガス(1種類あるいは複数の原料ガスと必要に応じキャリアガス)を基盤が置いてある反応容器に導入し、プラズマなどのエネルギーを加えて原料ガスを分解・反応させて、基板上に膜を堆積する方法です。

CVD法では、原料をガスで供給する必要があります。

CVD法の原理とプロセス

CVD法には原料ガスを分解・反応せるエネルギーによる分類として、熱CVD法プラズマCVD法光CVD法などに分けられます。

原理

プラズマCVD法の場合

プラズマを使ってガスを分解し反応させ、基板上に薄膜を形成します。

容量結合型プラズマCVD装置

プラズマの発生方法としては、平行平板の電極のカソード側に13.56MHZまたは
その倍数の高周波を印加する容量結合型放電が多く用いられています。

Q斗博士の説明

プロセス

  1. 気相反応過程
  2. 表面反応過程
  3. 体積膜内反応過程
反応過程

CVD法の特徴と用途

特徴

  • ガス粒子間の衝突が十分に起こっているため、
    • 均一なコーティングができる(段差性がよい)
    • 量産性に優れている
    • 膜特性が安定している
  • 大気~中真空の圧力範囲でよいので、比較的シンプルな装置でよい。
  • 高温で反応させなければならない。
    • 高温で反応しないガスは使えない
    • プラスチックなど熱に弱い基板には使えない
  • 特定の部位にだけ選択的に膜を形成させることが可能(選択成長CVD法

原料ガスを切り替えて1原子(分子)層ずつ交互に吸着・反応させて成長させるALD法という方法もあります。

Q斗博士の説明

+

プラズマ特有

  • プラズマを用いることにより、気相中に様々な化学種が生成され、この化学種が薄膜形成過程において、いろいろな役割を果たす。
  • ガス組成、ガス流量、圧力、プラズマ出力、基板温度、基板バイアスなど制御可能なパラメータが多い。プラズマ発生方法を変えることにより、各種プラズマ特性を変化させることができる。
  • プラズマCVD法は、熱CVDに比べ300℃の低温でも成膜が可能

用途

  • 液晶やプラズマなどの表示デバイスの絶縁膜
  • 太陽電池のアモルファスSi半導体
  • 半導体デバイスの絶縁膜
  • LEDなどの発光素子のGaAsなど化合物半導体膜
  • 耐熱性容器や部品のコーティングに用いられるSiC、Si3N4、AIN、PBN、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの膜
  • CNT(カーボンナノチューブ)膜

など

電子機器デバイス・半導体デバイスの生産で多く用いられています。

Q斗博士の説明

メモ

・原料となるガス(ソースガスともいう)
成膜にしたい元素を含む気化させた化合物
シラン(SiH4)、六フッ化タングステン(WF6) など

・キャリアガス
原料となるガスと一緒に、基板表面へ送り込む。水素(H)、窒素(N)、アルゴン(Ar)など。
容器の中で原料ガスを均一に拡散させる役割をしています。

あるむ