真空は何に使っている?

真空を利用した生活用品、身の周りにある真空技術
真空(真空技術)は、製品自体に利用されているものと製品の製作工程に利用されている ものと大きく2つに分けられます。
製品自体に利用されているもの
真空を製品の中に使用しているもの
-
白熱電球 蛍光灯
真空の酸素が少ない(物が酸化しにくい)という特性を利用して、内部を真空にすること でフィラメントの燃焼(酸化)を防ぎ、寿命を延ばします。
-
魔法瓶
内部がガラス瓶の2重構造になっています。真空の熱を奪われない(冷めにくい) という特性を利用して、2層の間の空間を真空にすることで、魔法瓶の中に入れたものを長時間保温、保冷することが出来ます。
-
真空炊飯器
真空にすることで、お米の中から空気が抜けた状態となります。これで短時間でお米の芯まで水が浸透することとなり、美味しく炊けます。
-
チルドの冷蔵庫
酸素が少ないと物が酸化しにくいという特性を利用して、食品などの新鮮さを保ったり、品質劣化を遅らせることが出来ます。

製品の製作工程に利用されているもの
製作工程で真空を使用しているもの
食品関係
- 特性利用
- 真空では沸点が下がる特性を利用
- 原 理
-
真空中で水分が凍った状態のまま蒸発(昇華)させる。
→ 凍結真空乾燥の技術
熱に弱い製品は、この製法を採ります。
- 昇 華
- 個体が液体を経ずに直接に気化して気体になる現象、またその逆の現象をいう。二酸化炭素の固体であるドライアイスは、常気圧中で昇華する化合物の代表である。
- 製 品
- インスタントコーヒー、カップめんの具
真空は気体分子の少ないきれいな環境
真空ではプラズマ(放電現象)を均一に発生させることが出来る
蒸着・スパッタリングはこちら。
スパッタリングはこちら
-
液晶モニタ
- 特性利用
-
気体分子が少ないきれいな環境
プラズマを均一に発生させること
- 原 理
-
真空中でガラス基板に透明導電膜や配線用の薄膜を形成する。
→スパッタリングの技術
真空中で成膜した不要な部分を切り取る。
→ドライエッチングの技術
- 製 品
- 液晶テレビ、PC用の液晶モニタ
-
装飾関係
- 特性利用
-
気体分子が少ないきれいな環境
プラズマを均一に発生させること
- 原 理
-
真空中で物質の表面に金等を被覆させ、装飾を施す、チタンであれば表面が金色になる。
→真空蒸着技術、スパッタリングの技術
- 製 品
- メガネフレーム、時計のバンド
-
ヘルメットシールド
- 特性利用
-
気体分子が少ないきれいな環境
プラズマを均一に発生させること
- 原 理
-
真空中で異なる材料を同時に蒸発させ重合反応させることで、色合いが 変化するホログラムカラーを形成する。
→蒸着重合の技術
- 製 品
- ヘルメットシールド
-
-
ソーラー(太陽電池)
- 特性利用
-
気体分子が少ないきれいな環境
プラズマを均一に発生させること
- 原 理
- 真空中でガラス基板にシリコンの薄膜を形成する。ガス種によってP型とN型と異なった膜を形成できる。
- 製 品
- ソーラーパネル
-
カミソリ
- 特性利用
-
気体分子が少ないきれいな環境
プラズマを均一に発生させること
- 原 理
-
金属の先に被膜を付けることで硬化させ、寿命を延ばすカミソリであれば、刃先にダイアモンド(カーボン)の被膜を付けることで 硬い膜(硬質皮膜)を作り、刃を長持ちさせる。
→イオンプレーティング、スパッタリング、
CVD法の技術
- 製 品
- カミソリ、ドリル